債務整理初心者ガイド
債務整理
債務整理には大きく分けて2つの方法があります。ひとつは「借金を減額」する方法です。債務者はしばしば利息を支払いすぎている傾向にあるため、「利息制限法」という法律に基づき債務額を計算しなおす事で、借金の減額=債務整理を行ないます。
平均的な例でいきますと、借入から1~3年経過している場合は、10%~30%の減額が期待できるようです。さらに、借入から4~6年で半分程度の減額が、それ以上の借り入れ期間については払う義務がなくなるか、「過払い」になる可能性があります。過払いとは「利息を払い過ぎている」状態を指し、払い過ぎた利息については債務者側に払い戻すよう「請求する」ことが可能です。
一般に、借り入れの期間が長くなればなるほど、また、借り入れの額が大きくなればなるほど、借金を減額できる可能性は高くなります。心当たりのある方は、一度、弁護士や司法書士に債務整理の相談を持ちかけてみてはいかがでしょうか。
債務整理2つ目の方法は「借金の支払い方式を変える」という方法です。裁判所の介入、もしくは弁護士の助力を得て、返済計画を大幅に見直していきます。例としては、「任意整理」、「民事再生」、「特定調停」などが挙げられます。分割による支払いに切り替えたり、あるいは法的な手続きで借金を減額してもらうなど、対応は個々のケースによって異なります。当然、専門的な知識や手続きが必要になりますから、やはり専門家の協力を仰いだほうが良いでしょう。
債務整理の例
裁判所の介入を得た債務整理の例を見てみましょう。例えば「特定調停」という手続きを行なえば、金融業者からの「取立てが停止」し、利息制限法による「借金の減額」が期待でき、さらに「将来の利息が免除される」可能性があります。
特定調停とは、裁判所が選ぶ調停委員が債務者と債権者の間にはいって、和解協議をし、今後の返済計画を見直す事を目的とした制度です。必要な手続きとしては、特定調停の申立、調停委員との面談、和解交渉、調停調書作成など、いくつか専門的な知識が要求される作業をこなさなくてはなりません。ですから、弁護士や司法書士の力を借りて手続きを進めるのが一般的なようです。
非常に効果的な債務整理の手段なのですが、特定調停にはいくつかのデメリットも存在します。例えば、手続きを開始すると、債務者の名前が金融業者のブラックリストに記載されてしまいます。ですから、債務者が事業主である場合は、金融機関からの融資、その他取引がストップする恐れがあります。また、あくまでも「調停」を目的とした手続きなので、協議が不成立におわる可能性もあります。その意味では、弁護士や司法書士の手腕が問われる債務整理といえるでしょう。過払い金の回収も望めないので、残元本以上の減額も見込めません。こういった点を全て踏まえた上で、「債務の負担を軽減する」手続きとしてお考えください。
債務整理の例としては、この他にも「任意整理」や「民事再生」、「自己破産」などが挙げられます。債務の状態に合わせて最も適した手段を講じてください。
債務整理の最後の手段
多額の借金に悩まされ、返済できるあても、減額できる見込みもない、そんなケースには「自己破産」が適用されます。自己破産は債務整理としては最後の手段で、借金そのものの「免責」=「支払い義務がなくなる」という法的制度です。
自己破産の対象となる主な条件として、債務残高が分割払いにして3年から5年程度で返済できない事、過去10年以内に免責を受けていないこと 、債務の主な原因が、浪費・賭博でないことの3点が挙げられます。つまり、5年以内に返済できそうな小額の借金や、ギャンブルによる借金については自己破産の認定を受けられません。また、過去10年以内に自己破産を行なった債務者についても、自己破産は認められない規定になっています。
また、自己破産で債務整理をしたからといって、全ての財産が手元に残るわけではありません。マイホームや自家用車など、「資産価値の高いもの」については手放さなくてはなりません。さらに自己破産の申請後は、いくつかの職業について資格上の制限が設けられています。弁護士や建設業者など、特定の専門職は一時その資格を停止される事になります。また、「破産者名簿」や「官報」といった書類に名前が記載されてしまうので、自己破産の事実が周囲に漏れる可能性が皆無とは言い切れません。ただし、両者とも一般の目に触れる機会が極めて少ない書類であるため、事実が広く流布される心配はありません。
一般に信じられている、選挙権の剥奪や年金の差し押さえ等は、全くのデマなので心配不要です。自己破産による債務整理で日常生活が改善する見込みは大きいので、最後の手段として考慮しておきましょう。